日本では今後ますます人口減少が見込まれています。人口減少がビジネスに与える影響は2つあります。
1つ目はマーケットの規模縮小。人口減少は消費者の減少を意味するため、これまで日本国内でのみ事業展開していた企業も、より大きなマーケットを求めて海外に進出する必要があります。
2つ目は労働生産人口の減少。人口が減ると働き手(労働生産人口)も減少するため、日本人以外の人材(グローバル人材)を積極的に採用していく必要があるのです。
このようなダイナミックな動きに対して、比較的体力のある大企業はすぐ対応できるでしょう。しかし、規模の小さい中小企業はなかなかそうはいきません。
この記事では中小企業が世界で通用するグローバル人材を採用する方法について解説します。
Contents
地方中小企業で不足するグローバル人材
外資系企業の日本進出と地方中小企業の活路
世界最大の半導体受託製造企業(ファウンドリー)である台湾積対電路製造(TSMC)が、熊本県に大規模工場を建設し2024年2月24日に稼働開始しました。さらに第二工場の建設も発表しています。また、2023年10月3日には経済産業省が、マイクロン・テクノロジー(本社:アメリカ)の子会社でありDRAMと呼ばれる記録用半導体を広島県で製造するマイクロンメモリジャパンに対して、研究開発や設備投資のために最大1920億円を補助すると発表しました。
このような大規模工場の建設や大規模設備投資は、地元はもとよりその周辺のエリアの中小企業にとって活路の一つとなります。
地方中小企業におけるグローバル人材の不足
海外の企業と安定的に取引を継続するには、品質の高さもさることながらグローバルに対応した人材も必要になります。しかし、中小企業ではグローバル人材の採用が遅れており、グローバル化のチャンスを掴みそうになっても逃すことになりかねません。
中小企業がグローバル人材を獲得するための採用手法6選
ここでグローバル人材を採用するための6つの方法を紹介します。
1. オンラインプラットフォームの活用
インターネットを使用したネットワークはグローバルになっています。たとえばSNSの中でもビジネス色の強いLinkedInやFacebookを使えば、世界中のグローバル人材に直接連絡が取れます。また、IndeedやGlassdoorなどの国際的な求人サイトを活用することで、広く世界中から人材を集めることが可能です。
これらは単なるツールのため、使えばすぐにグローバル人材を獲得できるものではありません。しかし、経営者の人脈や地元の経営者の集まりではなかなか知り合えないようなグローバル人材に、直接アプローチできるのは大きなメリットと言えるでしょう。
2. 留学生をターゲットにする
日本に来ている留学生の中には、そのまま日本企業への就職を希望している学生もいます。そういった学生に対してインターンシップや就職説明会を開催し、自社へ興味を持ってもらうのも一つの方法です。一定程度日本語が話せる留学生でも、異国の地で就職するのは勇気がいるでしょう。そのようなとき中小企業側からアプローチしてくれれば、学生も対応しやすくなります。
留学生の支援機関と連携するのもよいでしょう。留学生が希望する業種や職種を調査し、それに合わせて中小企業側からアプローチすることにより、お互い採用の効率化をはかれます。
3. グローバル人材専門の紹介会社を利用する
グローバル人材専門の紹介会社を利用するのもよい方法です。紹介会社はさまざまなグローバル人材を抱えているため、必要なスキルや自社に合う人物像を伝え、最適な人材を紹介してもらうことも可能です。
4. インターンシッププログラムの活用
中小企業側がどれだけ親切にアプローチしても、実際に働いてみないと状況をなかなか理解してもらえないでしょう。そこで短期間のインターンシップを開催し、実際に仕事をしてもらうことでお互いにミスマッチを解消できます。
留学生はそもそも日本の就業環境を理解していないことや、実際に就業してはじめて気付くこともあるため、インターンシップはお互いの理解を深めるために有効です。
5. ワークサポートビザの提供
留学生を含めて外国人が日本で働くには就労ビザが必要です。しかし、知らない土地でビザを取得するのは留学生や日本で新しく就労したい外国人にとってはハードルが高いでしょう。
また、就労ビザは技能によって10種類以上にわかれており、取得のためにはその技能に合わせた大学や専門学校(専門学校の場合は日本国内のみ)を卒業していることが就労ビザ取得要件の一つとなります。ハードルの高い就労ビザ取得をサポートすることで、留学生は日本の中小企業で働きやすくなるのです。
6. 海外の学校や行政との提携
留学生に限らず、学生との交流は自社や日本での就労に興味をもってもらうために重要です。海外の学校に通っているが日本での就労に興味のある学生や、海外人材支援を管轄する行政との連携を強め、早めかつ中長期的にグローバル人材採用を検討することも重要です。
グローバル人材が活躍できるような企業文化や人事制度を整備することも重要
グローバル人材をただ採用するだけでなく気持ちよく、そして長く働いてもらうためには、人事制度の見直しも必要です。
多様性と包括性(D&I)の推進
世界の国々はビジネス面でもマインド面でもボーダレスになりつつあります。異なる文化や商習慣を持つ人どうしが一つの目的に向かってビジネスを進めるため、お互いの違いを認めたうえでそれを活かしてアウトプットを最大化する必要があるのです。
島国である日本は隣国と陸続きになっているような国と比べると、他国民との交流の機会が少ない傾向にあります。また、戦後の急成長や世界を代表する経済大国ということもあって、発展途上国などに対する偏見が残っているという側面も残念ながらあるかもしれません。
しかし、冒頭で述べたように日本人だけでビジネスを展開しているとマーケットは縮小し、労働生産人口も賄えない状況に陥ります。それを回避するためには、さまざまなグローバル人材の価値観を認めて受け入れる、あるいは相手にも受け入れてもらう必要があります。
パフォーマンス評価の国際化
出身国が異なれば文化や商習慣が異なり、パフォーマンスの評価が難しくなります。バックグラウンドの違いがあっても客観的かつ公平にグローバル人材を評価する必要があるのです。また、これまでの日本の評価制度では、上司が部下を一方的に評価していました。しかし今後は、同僚や部下などその人の仕事ぶりをよく知る人からの評価を加えることで、より客観的かつ公平な評価(360°評価)が可能になるでしょう。
グローバル人材を育成するための教育制度
グローバル人材に必要な言語は英語だけではありません。世界2位の経済大国である中国で仕事をするには中国語の習得が必要です。また、今後発展する国によっては、他の言語の習得も必要になるかもしれません。グローバル人材を育成するにはさまざまな言語教育プログラムを提供する必要があるのです。
ただ単に語学教育を行うだけでなく、グローバル人材のキャリア開発を支援したり、昇進しやすくしたりする制度も必要です。グローバル人材が成長するには本人の努力と同様に、組織としてのバックアップも必要なのです。
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