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韓国進出に適している業種と成功のポイントは?専門家が徹底解説

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韓国進出に適している業種と成功のポイントは?専門家が徹底解説

韓国は日本から比較的近い国の一つです。しかし、文化的背景やビジネスに対する姿勢など、日本と異なる点がいくつかあります。そのような韓国で事業を成功させる秘訣をご紹介します。

韓国進出の魅力

地理的・文化的な近さ

日本(羽田空港)から韓国(仁川国際空港=ソウル)までは飛行機で約2時間30分と近距離で、時差もありません。また、福岡市から韓国南部の都市・釜山(プサン)までは船(ジェットフォイル)でも行けます。

歴史的な交流も長く、食文化や価値観にも共通点が多いため、比較的ビジネス展開しやすい環境です。特に若い世代を中心に、日本の製品やコンテンツへの関心も高く、K-POPや韓国ドラマの人気に見られるように文化的な相互理解も進んでいます。これらの要因により、市場調査やマーケティング戦略の立案が比較的容易です。

技術・産業基盤の強さ

韓国は半導体、自動車、造船など高度な製造業が発達しており、技術力の高い協力企業も多数存在します。研究開発投資も積極的で、特に電気・電子分野での技術革新が著しく、質の高い人材も豊富です。サムスン電子やLG、現代(Hyundai)自動車などのグローバル企業との取引機会も多く、高度なサプライチェーンを活用できる環境が整っています。

FTAと経済連携

韓国は世界の主要国・地域とFTA(自由貿易協定)を締結しており、グローバルな事業展開の拠点として優位性があります。特に米国、EU、ASEAN諸国との包括的なFTAにより、関税面での優遇や規制緩和などのメリットが得られます。また、RCEP(地域的な包括的経済連携協定)への参加により、アジア太平洋地域での経済連携もさらに強化されていくでしょう。

ITインフラの充実

韓国は世界最高水準の通信インフラを誇り、5G普及率も世界トップクラスです。モバイルインターネットの普及率は99%を超え世界1位であり、デジタル化やスマート化が社会全体で進んでいます。電子政府の取り組みも先進的で、行政手続きのデジタル化が進み、ビジネス環境の効率化に貢献しています。スタートアップ支援も充実しており、デジタル分野での新規ビジネス展開がしやすい環境です。

高い消費水準

韓国は一人当たりGDPが3万ドルを超える高所得国で、特に都市部では高い購買力を持つ消費者が多く存在します。新製品やトレンドへの感度が高く、品質の良い商品やサービスへの支出を惜しまない消費傾向があるのです。また、SNSの影響力も強く、新商品の情報が急速に拡散されやすい特徴があるため、マーケティング効果も期待できます。

韓国進出に適している業種例

半導体・電子産業

韓国は半導体(メモリ)やディスプレイ技術で世界トップクラスの競争力を持っており、サムスン電子やSKハイニックスを中心とした高度な産業集積があります。日本企業は、製造装置や高機能部材の供給を通じて、サプライチェーンや技術リソースを活用できます。特に次世代半導体開発において共同開発や技術提携のしやすい環境が整っており、Win-Winの関係構築が可能です。

自動車

韓国の自動車産業は現代(Hyundai)自動車グループを中心に、EVシフトを強力に推進しています。自動車部品や電動車関連技術を持つ日本企業は、韓国の自動車メーカーと強力な取引関係を築きやすい環境です。特にバッテリーや駆動系統の技術分野では、両国の技術を組み合わせた革新的な開発が期待できます。

IT・通信

韓国は世界最先端のITインフラを持ち、特に5Gの普及が進んでいます。IT・通信分野の日本企業は、韓国の通信事業者や大手IT企業と連携して、新しいサービスや技術を提供する機会が豊富にあります。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展が速い韓国市場は、新技術の実証実験の場としても魅力的です。

消費財メーカー

韓国は日本の文化や製品に親しみを持つ層が多く、特に化粧品やファッションなどの消費財メーカーは市場開拓に成功しやすい環境があります。韓国消費者の品質を重視する傾向は日本製品の強みと合致し、SNSを通じた情報拡散力も高いため、効果的なマーケティングが展開できます。

環境・エネルギー

韓国はエネルギー政策の強化や環境問題への取り組みが進んでおり、2050年カーボンニュートラル達成に向けた施策を推進しています。再生可能エネルギーや省エネ技術を持つ日本企業は、韓国市場で優位性を持つ可能性が高く、特に太陽光発電や水素エネルギー関連分野での事業機会が豊富です。

小売・外食産業

アパレル専門店や外食チェーンが韓国市場で成功を収めています。日本式の丁寧な接客やサービス品質が韓国の消費者から高く評価されており、特に若年層を中心に日本ブランドへの信頼感が高くなっています。また、オンラインとオフラインを組み合わせたオムニチャネル戦略も効果を発揮しています。

物流・運輸業

韓国のEC市場拡大に伴う配送需要の増加を背景に、物流大手が成長しています。特に、日本式の正確な配送と丁寧な荷物の取り扱いが評価され、高品質な物流サービスへのニーズが高まっています。韓国の物流テック企業との協業も進み、革新的なサービスの開発が進んでいるのが特徴です。

建設・不動産業

ゼネコンがインフラ整備や大型商業施設の建設で実績を上げています。日本企業の高い技術力と品質管理能力が評価され、特に耐震技術や環境配慮型建築の分野で強みを発揮しているのです。また、スマートシティ開発など、先進的なプロジェクトへの参画機会も増加しています。

化学・医薬品業界

日本の化学・医薬品メーカーは高機能材料や独自の製剤技術など、高い技術力を持っており、これらは韓国市場で大きな優位性となっています。特に半導体材料や電池材料、化粧品原料などの分野では、韓国の大手メーカーとの取引機会が豊富です。

韓国進出を成功させるためのポイント(BtoB企業の場合)

現地パートナーとの協力

現地企業やサプライヤーとのパートナーシップを築くことで、現地での信頼性とネットワークを強化し、進出を円滑に進めることができます。特に韓国では、大手企業グループを中心とした企業間ネットワークが発達しており、パートナー企業との良好な関係構築が事業成功の鍵となります。技術提携や共同開発などの分野でも、現地企業との協力関係が重要です。

ローカライズしたソリューション提供

韓国企業のニーズに合わせたカスタマイズした製品やソリューションを提供することで、競争力を高められます。韓国市場特有の要求事項や品質基準に対応し、現地企業の業務プロセスや商習慣を理解した上でのサービス提供が求められます。特に、デジタル化が進んでいる韓国市場では、最新技術を活用したソリューションのローカライズ(現地化)が重要です。

現地法規制の理解

韓国には特有の法規制や業界標準があり、それらに適合したビジネス運営が必要です。契約書の取り扱いや労働法、環境規制などに関しては、現地に詳しい専門家と連携しながら慎重に対応することが大切です。特に、個人情報保護や環境規制は年々強化される傾向にあり、常に最新の法規制の動向を把握しておく必要があります。

韓国進出を成功させるためのポイント(BtoC企業の場合)

現地消費者のニーズへの対応

トレンドに敏感で高品質な製品を求める韓国消費者に対して、商品をローカライズすることが重要です。例えば、化粧品であれば韓国の美容トレンドに合わせた処方や、食品であれば現地の味覚に合わせた商品開発が求められます。また、パッケージデザインや広告表現においても、韓国の文化的特性を反映させることで、消費者からの共感を得やすくなります。

Eコマースとオンラインチャネルの強化

韓国はオンラインショッピングが非常に盛んな市場で、自社のECサイトや韓国の主要オンラインプラットフォーム(Gmarket、Coupangなど)での展開強化が必須です。特にモバイルショッピングの利用率が高いため、スマートフォン向けの使いやすいインターフェースの開発や迅速な配送システムの構築、あるいは現地企業との提携が重要になります。

現地の口コミやレビューの活用

韓国では消費者のレビューや口コミが購入決定に大きな影響を与えます。カカオトーク、NAVER Blog、インスタグラム、TikTokなどのSNSを活用し、積極的に消費者の声を集めることが重要です。特に、インフルエンサーマーケティングが効果的で、製品レビューやユーザー体験の共有を通じた信頼性の構築が求められます。

韓国進出ならGSJへお任せください

韓国はビジネスにおいて世界をリードする国の一つになりつつあります。韓国でのビジネス展開は、日本企業にとって大きなメリットがあります。

Glocal Solutions Japan(GSJ)には、韓国の法務分野に精通している専門家(弁護士)が登録しており、日本語対応可能な現地の専門家とも提携しています。韓国への進出でお困りの場合は、こちらまでご相談ください。

GSJ認定専門家

■ この記事の執筆者認定専⾨家 玄 政和

■ プロフィール概要 専門領域:法務コンサルタント(韓国)
所属(肩書):賢誠総合法律事務所 弁護士
資格など:弁護士、中小企業診断士、情報処理安全確保支援士

■ プロフィール詳細 韓国法務に注力する弁護士。京都生まれの在日コリアンであり、韓国語を駆使し、日本企業の韓国進出、韓国企業の日本進出における法務面のサポートを行っている。
日韓企業の業務提携等の取引案件における契約書の作成(日本語・韓国語)や、韓国越境ECサイトの利用規約や韓国現地法人のプライバシーポリシー作成、韓国現地法のリサーチ等、幅広い案件に対応しているほか、韓国がかかわる相続案件(被相続人が韓国籍である、相続人が韓国にいる、相続財産が韓国にある等)にも注力している。
日本語対応可能な韓国現地の専門家(弁護士、法務士等)と連携しており、クライアントとの間でも、日本語に基づくスムーズなコミュニケーションと迅速な対応が可能である。