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ものづくり補助金2023|グローバル市場開拓枠への変更点を解説

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ものづくり補助金2023|グローバル市場開拓枠への変更点を解説

By GSJ事務局

2023年、ものづくり補助金が大幅に改訂・刷新され、「グローバル市場開拓枠」が新たな枠組みとして追加になりました。

近年、少子高齢化により日本国内のマクロ的な市場規模は縮小傾向にあります。そのため、中小企業も国内市場だけではなく、積極的に海外市場に目を向ける必要があり、国を挙げての支援活動にも注目が集まっています。

本記事では、ものづくり補助金のグローバル市場開拓枠について、従来との変更点を中心に、具体例を踏まえながら詳しく解説します。

ものづくり補助金のグローバル市場開拓枠について

ものづくり補助金とは、中小企業や小規模事業者が取り組む革新的なサービス開発・生産性向上を目的とした設備投資などへの支援制度です。2023年、ものづくり補助金に新しく「グローバル市場開拓枠」が追加され、海外事業に対する支援の幅が広がりました。

ものづくり補助金のグローバル市場開拓枠とは

グローバル市場開拓枠とは、ものづくり補助金に新たに導入された、海外事業の拡大を目的とした設備投資などを支援する枠組みです。従来の「グローバル展開型」が拡充される形で設置され、あらゆる海外事業に対しての支援が受けられるようになりました。

グローバル市場開拓枠の4つの類型

グローバル市場開拓枠では、次の4つの類型が設けられています。

①海外直接投資

グローバルな製品・サービスの開発や提供体制を構築します。海外現地に直接、工場や支店をつくる取り組みなどが該当します。

②海外市場開拓(JAPANブランド)

海外顧客に対して市場を開拓します。国内で製品をつくり海外へ輸出する事業などが挙げられます。

インバウンド市場開拓

訪日外国人観光客を対象とした事業を展開します。

海外事業者との共同事業

外国法人とパートナーシップを組んだり、海外事業者と共同研究や共同開発を行います。

2022年までのグローバル展開型との違い

グローバル市場開拓枠と従来のグローバル展開型とでは、以下のような相違点があります。

補助下限額が100万円に下がった

グローバル市場開拓枠では、補助下限額が従来の1,000万円から100万円に大きく引き下げられました。これにより、活用に対するハードルが大きく下がり、非常に使い勝手が良い支援制度となりました。また、補助上限額は従来と変わらず3,000万円です。

応募期間が長い

グローバル市場開拓枠が追加となった今回の14次募集では、従来のグローバル展開型を含む13次募集と比較すると、公募開始から応募締切まで3ヶ月以上の長い応募期間が設けられています。

この期間を活用し、多くの新たな取り組みが追加となった今回のものづくり補助金をよく理解したうえで、ぜひ事業の海外展開を検討してみてはいかがでしょうか。

ブランディング・プロモーションに係る経費も支援対象に

海外市場開拓(JAPANブランド)類型では、「ブランディング」や「プロモーション」に係る費用も補助対象となりました。

応募要件やスケジュール

グローバル市場開拓枠の応募要件やスケジュールは以下の通りです。

応募要件

海外事業の拡大・強化などを目的とした「製品・サービス開発」または「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資などを支援

補助率

中小企業は1/2、小規模事業者は2/3

補助金額

100万円〜3,000万円(別途、大幅賃上げに取り組む事業者については従業員数に応じてさらに最大1,000万円の引き上げ)

対象経費

機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費、海外旅費、通訳・翻訳費(海外市場開拓類型のみ)、広告宣伝・販売促進費(海外市場開拓類型のみ)

ものづくり補助金|第14次スケジュール

グローバル市場開拓枠が新設された第14次締切分は以下のスケジュールで募集が行われます。

2023年
1月11日(水):第14次公募開始
3月24日(金):電子申請システムでの応募受付開始
4月19日(水):応募締切
6月中旬:採択発表

海外市場開拓(JAPANブランド)類型について

ここでは、海外顧客に対して市場を開拓する海外市場開拓(JAPANブランド)類型について解説します。

海外市場開拓(JAPANブランド)類型とは

グローバル市場開拓枠の4つの類型の1つで、製品などの最終販売先の1/2以上が海外顧客となり、計画期間中の補助事業の売上累計額が補助額を上回る事業計画を有していることが応募条件となります。

また、応募申請時に具体的な想定顧客が分かる海外市場調査報告書、実績報告時に想定顧客による試作品などの性能評価報告書の追加提出が必要です。

JAPANブランド育成支援事業が廃止され当類型に統合

令和4年度までの「JAPANブランド育成支援事業」が廃止され、グローバル市場開拓枠内の「海外市場開拓(JAPANブランド)」類型として統合されることになりました。これにより、中小企業などの国内事業者が海外輸出向けの新製品開発にかかる設備投資や開発費用、さらにブランディング・プロモーションにいたるまでを一貫して支援してもらえる仕組みが誕生しました。

GSJはJAPANブランド育成支援事業の認定パートナー

GSJは令和3年・令和4年度JAPANブランド育成支援事業の認定パートナーです。グローバル市場開拓枠の新設によって「海外市場開拓(JAPANブランド)」類型として名称新たに支援事業は継続されることになりました。

輸出向けの新製品開発や、それに伴うブランディング・プロモーションなど、あらゆる場面で補助金の申請が可能ですので、お困りの際にはぜひGSJにご相談ください。

補助金の活用法について

ここでは、グローバル市場開拓枠における補助金の活用法について具体的に解説します。

どのような事業者におすすめの補助金なのか

先述のとおり、グローバル市場開拓枠では補助金の下限額が従来の1,000万円から100万円に引き下げられました。これにより、小規模事業者やスタートアップ企業にとっても非常に使い勝手の良い制度となり、製造業に限らず小売業・サービス業など様々な業種で活用が可能です。

また、海外展開において以下のような課題を持つ事業者には、特におすすめの補助金制度といえます。

  • 海外支店や子会社に新たな設備投資を行うための資金が不足している
  • 現行の国内事業を拡充し、訪日外国人観光客を新たなターゲットとして取り込みたい
  • 製品を海外へ輸出する新事業を検討中だがブランディングやプロモーションにかける予算がない

活用における注意点

様々な活用法が期待できるグローバル市場開拓枠ですが、いくつか注意点があります。

対象経費の注意点

海外市場開拓(JAPANブランド)類型において、ブランディングやプロモーションに関する費用が対象経費に含まれることになりました。

これにより、広告宣伝費・販売促進費が補助対象経費の1/2まで認められることになり、さらに広告宣伝・販売促進に必要な通訳・翻訳費も今回の拡充によって補助対象に加えられました。しかし、通訳・翻訳費については補助対象経費の1/5までとされているため、事業計画作成時には注意が必要です。

なお、外国法人の経費、消費税・地方消費税、パソコン・スマートフォン、自動車・不動産などの経費は従来同様、対象外となります。

申請書作成時の注意点

申請書作成において、グローバル市場開拓に関する業務を自主的に遂行する能力を有している場合には、これまでいつ・どこの国に、どのような製品を輸出あるいは提供したかなど、申請者の遂行能力が判断できる情報を明確に記載する必要があります。

なお、申請者だけではなく、認定パートナーなど外部の専門家の力を借りて申請を行う場合、外部の専門家の支援実績や、グローバル市場開拓における遂行能力を詳細に記述します。

GSJはJAPANブランド育成支援事業の認定パートナーです。グローバル市場開拓に関する広告宣伝・事業計画作成など多岐にわたる支援を行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

GビズIDプライムアカウントの取得

ものづくり補助金事業に申請・応募する際には、事前にGビズIDプライムアカウントの取得が必要です。利用登録完了までには2週間程度の時間を要するため、必ず事前に登録をお済ませください。

具体的な活用法

最後に、グローバル市場開拓枠における補助金の活用法として具体例を2つご紹介します。

具体例①|製造業

製造メーカー発注者と加工業者を繋ぐマッチングサービスを運営するA社では、海外メーカーや海外事業者の参入・取り込みを目的とした、多言語対応の新たなプラットフォーム開発を検討しています。

本事業では、グローバル市場開拓枠の海外市場開拓(JAPANブランド)類型によって、システム開発にかかる経費への支援を受けられる可能性が高く、現在事業計画書を作成中です。

具体例②|宿泊業

ホテル経営を行うB社では、国内の顧客離れによる売上減少を受け、海外市場への投資を検討しています。イスラム圏からの訪日観光客に注目し、各店舗にてハラル料理に対応できる厨房設備の導入計画を立案。導入設備の購入経費をグローバル市場開拓枠によって支援してもらう試みがスタートしました。

GSJではものづくり補助金のグローバル市場開拓枠の取得支援を行っています

GSJではものづくり補助金のグローバル市場開拓枠に関するあらゆるサポートを行っております。

「検討中の海外事業が補助対象かどうか」、「補助を受けるためには事業計画をどのように見直す必要があるか」など、応募申請から事業実行にいたるまで、どんなお悩みもぜひGSJにお任せください。